十二直とは?「建・除・満」などの意味と、同じ直が二日続く理由

十二直とは?「建・除・満」などの意味と、同じ直が二日続く理由

暦の日付のそばに、「たつ」「みつ」「ひらく」といった言葉が並んでいることがあります。大安や仏滅とは違うけれど、お日柄に関わるものらしい。この十二種類の注記が「十二直(じゅうにちょく)」です。

十二直は、月と日の十二支の関係をもとに、その日をどんな行いに向く日と見るかを示してきた暦注です。暦注とは、日付に添えられた吉凶などの注記のこと。十二直は暦の中段に記されたため、「中段」とも呼ばれます。

ただ吉の日と凶の日に分けるだけでなく、始める、取り除く、収めるといった行為と結びつけて読むところに特徴があります。

十二直の名前と順番

十二直は、次の順番で並びます。

建(たつ)、除(のぞく)、満(みつ)、平(たいら)、定(さだん)、執(とる)、破(やぶる)、危(あやぶ)、成(なる)、収(おさん)、開(ひらく)、閉(とづ)。

「収」は「納」と書かれることもあり、「危」の読みも資料によって「あやふ」などの表記があります。国立天文台の暦Wikiでは、こうした名称や表記を確認できます。

カレンダーメーカー・トーダンの十二直の一覧では、たとえば除を不要なものを取り除く行い、定を物事を定める行い、開を入学や開業などの始まりと結びつけて説明しています。

一方、破は約束や取り決めに向かないとされるなど、行為ごとの読み方があります。名前の印象だけで、その日一日が何をするにも悪い、と受け取るものではありません。

十二直と十二支

十二支というと、生まれ年の動物を思い浮かべるかもしれません。けれど暦では、月や日にも子・丑・寅などの十二支を割り当てます。

十二直は、節月の十二支と、その日の十二支を照らして配します。節月は、立春や啓蟄などの節入りで区切る月です。元日や各月の1日が来たから、そのまま新しい節月になるわけではありません。

たとえば、立春から始まる寅の月では、寅の日を「建」とし、続く卯の日を「除」、辰の日を「満」とします。次の節月では基準の十二支が一つ進むため、同じ寅の日でも、いつでも「建」になるわけではありません。

国立国会図書館の解説は、この仕組みを、北斗七星の柄の向きと月を対応させた考え方から説明しています。暦の一文字の背後に、月ごとに巡る季節の区切りがあるわけです。

十二直の並び。節入りの日には前日と同じ直を配する。
十二直の並び。節入りの日には前日と同じ直を配する。

節入りと「おどる」

十二種類が順番に巡るなら、必ず十二日で同じ直へ戻る。そう思って暦を読むと、同じ直が二日続く箇所で戸惑うかもしれません。

国立天文台によると、十二直は節入りの日に前日と同じ直を繰り返し、月の基準に合わせて一日ずらします。この繰り返しを「おどる」と呼びます。

そのため、ある日の十二直だけを覚え、あとは日数を十二で割って延々と数えても、節入りをまたぐとずれてしまいます。暦どうしで表示を比べる際にも、節入り付近かどうかが確認の手がかりになります。

手元の暦から十二直を調べる

日取りの参考にするなら、最初に予定の目的と候補日を決めます。「よい日を探す」だけでは、何に向くとされる日を探すのかが曖昧になるためです。開業、引っ越し、片づけなど、行うことを具体的に書きます。

次に、その年の十二直が載った暦で候補日の欄を見て、直の名前を確かめます。六曜の大安・仏滅とは別の欄です。文字を確認したら、その暦の凡例や解説で、自分が行うことについてどう説明しているかを読みます。

たとえば開業なら、「開」という名前を見つけるだけで終えず、参照した暦が開業を吉とするかまで確かめます。トーダンの十二直の説明では、開を入学・開業など、成を開店披露などに結びつけています。似た目的に複数の候補があり得ることも分かります。

十二支から配当を確かめる方法

仕組みを自分で追いたいときは、節月と、その日の十二支の二つを用意します。節月の十二支は、立春から始まる月が寅、啓蟄からが卯、清明からが辰、と進みます。旧暦の月番号や、西暦の月の数字を、そのまま代入しないようにします。

立春を過ぎ、まだ啓蟄を迎えていない寅月の、仮の寅の日を見てみます。月と日の十二支が同じなので、この日は「建」。翌日の卯は「除」、翌々日の辰は「満」です。そのままなら、巳が平、午が定、未が執、申が破、酉が危、戌が成、亥が収、子が開、丑が閉と対応します。

次の卯月では、基準が卯の日の建へ移ります。卯の日でも寅月なら除、卯月なら建となるため、日だけの十二支を見ても十二直は決まりません。節入りをまたぐ場合は前日と同じ直を配する扱いもあるので、実際の日付へ適用するときは、その年の節入りと暦の表示を併せて確認します。

これは、月の基準と日々の巡りを対応させる仕組みです。北斗七星をその場で観察して、毎日の十二直を直接決めるという手順ではありません。

名前を、行いの性質と結びつけて読む

十二直には、始める、取り除く、満たす、定める、手に入れる、収める、開く、閉じる、といった行為を連想させる名前があります。ただし、現代語の印象だけで意味を作らず、暦に載る用途を確認します。

たとえば「除」を片づけのきっかけに使うなら、不要な書類を見直す予定を置く、といった取り入れ方ができます。これは、不要なものを取り除く行いと結びつける解釈を、自分の生活へ応用した例です。その日に片づければ災いを除去できる、という効果を示したものではありません。

「定」なら、結婚などの伝統的な用途の説明を読んだうえで、自分の計画を決める日として意識することもできます。一方、「危」は名前が怖いから外出できない、とは受け取りません。暦がどんな行為を戒めてきたのか、その説明を読むところまでが一組です。

候補日を比べるときの考え方

開業日を検討するなら、会場や人員を確保できる日を先に挙げ、それぞれの十二直と、参照した解釈を横に書きます。暦から候補を絞る場合でも、準備不足や関係者への無理が残らないかを見直します。

六曜などと評価が食い違ったときは、「十二直では開業についてこう読む」「六曜ではこう読む」と分けて整理します。異なる規則の吉凶を、共通の点数のように足したり相殺したりする手順は、この十二直の配当からは導けません。何を採用して日を決めたかを説明できるようにしておくと、家族や仕事相手とも相談しやすくなります。

六曜と十二直

六曜の大安や仏滅と、十二直は別の規則で配されています。さらに二十八宿なども載った暦なら、一つの日付に、異なる体系の注記がいくつも並びます。

ある欄は吉、別の欄は凶とすることもあり、一つの欄を見れば、ほかのすべてのお日柄が決まるわけではありません。十二直の解釈自体も、時代によって違いがあると国立国会図書館は説明しています。

日取りの参考にするなら、名前だけで判断せず、その暦がどんな行為について何を説明しているかまで見てみてください。予定の都合や、関わる人の考えも併せて相談すれば、暦の一文字に日程を任せきりにせずに済みます。

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参考資料